Contrary
泣きながら後ろを引っ付いてきた頃とは違うってことだ。
それだけの月日が経ったし、俺らもあいつらも良い意味でも悪い意味でも変わったんだ。
変わらないのはこの世からさっさと居なくなっちまった此花くらいだろうさ。
「もし今の俺らをあいつが見たら、何て言うんだろうな」
「さぁ?でも、げんこつ1発では済まないんじゃない?」
特に双子は。と苦笑いの響葵。
「いつまで過去に引きずられているんだ、前を向け。
あの馬鹿ならきっとそう言うよ」
「違いねぇ」
二人で笑い合う。
あいつは誰かを恨むなんてしなかったやつだから。
あいつが怒る時はいつも俺ら仲間の為で、自分の事では怒らない。
だからこそ、俺達はあいつの為に怒るんだ。
それだけあいつは……此花は慕われていた。
双子も俺や響葵も……
憎まれ口をたたいていても、喧嘩をしても。
何よりも大切な親友のひとりだと思っていた。
「逝っちまうの……早すぎる」
「……もう、3年だもんね」
「あいつは残される側の気持ちなんて考えてねぇからな……」
「全くだね」