Contrary


「舞夜、なにか分かった?」



俺の問いかけに静かに首を振る舞夜。

妃海ちゃんを守るきっかけになった黒炎と、最近活発に動き出したTenebrae以外にも調べている族がある。

恐ろしくガードが固い族。

元全国No.1である『白鷺(はくろ)』と現全国No.1である『希掠』

黒炎はともかく、Tenebraeと白鷺……そして希掠は尋常じゃないくらいにガードが固い。

希掠は二人でやれば一瞬の隙間を作ることだけは出来そうだけど、白鷺とTenebraeはトラップが多いし一つ一つのセキュリティが強すぎる。



「Tenebraeはともかく、白鷺が未だにこれだけ固いって事は、まだ誰かが管理してるって事だよね……」

「……そうだね」



現在活動しているTenebraeとは違って、白鷺は2年前に完全に解散している。

それなのにも関わらず、セキュリティはどんどん強化されているっていうのが不思議なんだ。

つまり、元白鷺である誰かが白鷺の情報を未だに守っているってことなんだよね。



「ここまで固いと嫌になるね……」

「でも、探さないと返せないから」

「そうだね」



俺が少し弱音を吐くと、ケースに入れて保管してあるピアスを見ながら舞夜が言う。

俺達が白鷺を探しているのには理由がある。

俺が風華に入ったばかりの頃。
その時は炉亜はいなかったけど、絆と舞夜も確か入ったばかりだったと思う。



< 82 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop