Contrary
その上、互いに双子であることから仲良くなるのに時間はかからなかった。
腐れ縁とも幼馴染みともいう。
そんなことを考えながらパソコンを叩く手を再開させる。
それと同時くらいにドアが開く音が響いた。
「ゆっうきー!調子はどう?」
「ゔっ……。飛びつくのやめてくれる、炉亜」
首を絞める勢いで飛びついてきたのは炉亜。
たまにこういう事をしてくるんだけど、原因はなんとなく分かっているから軽く咎めるだけにしておく。
どうせ、家で何かあったんだろう。
こういう時は好きにさせておくと勝手に元に戻る。
逆に無理に話を聞こうとしたり、突き放したりするとややこしくなるから放っておくほうがいい。
その事は一緒に入ってきた絆たちも分かっているから、追求はしない。
この場に妃海ちゃんがいれば話は変わってくるんだろうけど、今日は用事があってこれないらしく、下の子に交代で護衛をしてもらうよう頼んでいるから、この場には妃海ちゃんはいない。
「絆たち、遅かったね」
「そうか?」
「いつもは俺より先にいるでしょう?」
「あー、ちょっと寄り道したからな」
「寄り道?」
絆達が寄り道なんて珍しい。
炉亜はフラフラすることもあるけど、絆達はまっすぐ倉庫に来るのに……