Contrary
「まぁいい。
突然どうしたんだ?」
「あいつ、やっと進む決心つけたみたいだから報告しに来ただけだ」
「……そうか。
整理がついたか」
「それはどうだか。
無理してるようにしか感じねぇよ」
「お前はそれでいいのか?」
詳しい内容は悟らせないギリギリのラインで会話をする翔音達。
まるでそこに彼等がいないように振舞っている。
「俺達は“似てる”だけであって“同じ”じゃねぇから、あいつが決めたならそれでいい」
「…………」
フードの人物の言葉に翔音はただ黙って見つめる。
その反応に眉を顰めて睨みつけるフードの人物。
「なんだよ」
「いや、いつの間にかお前も大人になってるなと思ってさ」
「いつまでもガキのお前に言われたくねぇよ」
「しばくぞ」
茶化すようなやり取りについに2人は笑い出す。
一瞬で和やかな雰囲気になる。
彼等はこのやりとりに一切付いていけていない。