木漏れ日に照らされる前に。
「都が目を開いたわ!」

「お母さん...?」

「もう目を開かないかと思って心配したのよ!」

「京君は...?」

「今は学校の時間よ」


時計に目をやると今は11:55と表示されている。

そうか、昨日私は倒れたんだ。

京君と話していてめまいがして車いすの上で気絶したんだった。


「都、最近倒れるの多いわね。」

「夏だし...。」

「そうね」


お母さんはきっとわかってるんだ。

私の命がもう短いことに。

自分でもわかる。

最近体が重いし、ずっと眠たいから。

けど、まだ。

まだ、死にたくない。


「お母さん。」

「都...。」

「私まだ死にたくない!死にたくないよ!」

「うん、お母さんもそうよ!」
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