木漏れ日に照らされる前に。
目がだんだん開いていく。

京君の泣き声が聞こえたからだ。

どうして、ないてるの?

なかないで。


「きょ、くん」

「俺先輩にもっとお話ししたいんです!」

「うん、私はいくらでも聞くよ?」

「だから、死なないで...。」

「じゃあ、私の話しひとつ聞いてくれる?」

「何でも聞きます!」


もう、私に時間はない。

普通の子みたいに精一杯頑張っても追いつけない。

多分、私の命の灯は消えかけてる。

ひと吹き風がふいただけで消えてしまうくらいに私は弱ってるんだ。
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