木漏れ日に照らされる前に。
私の病気はまだ治す方法がない難病。

でも、この病気なだけ幸せと言われてる。

永眠病。

眠るように、死んでいく病気。

痛いことなんて全くないし、苦しいことだって全くない。

なのに、なんで、こんなに胸が痛むんだろう。


「京君、今までありがとう。ずっと好きだったよ。」

「先輩!自分だけ言ってくなんてずるいですよ...。」


そんな声も、もう私には届かない。

聞こえるのは風の音だけ。

あぁ、神様。

もうちょっと行きたいなんて思わないから。

京君を幸せにしてあげてください。
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