唄に想いを込めて
高校2年生になってから相沢 奏と席が隣になった
彼女こそ俺が一目惚れをした人
俺はバンドを組んでいて、ヴォーカルをしている
ある時、そんな俺に奏は好きな人を想って書いた唄を唄ってほしいと言ってきた
俺の好きな人へ唄ってもいいからと…
俺はよく告白される
その度に好きな人がいるからと断ってきた
それを奏は噂で聞いたらしい
何で…よりにもよって俺に唄ってほしいと言うんだろう
好きな人は俺じゃないって言われているようなものだ
俺の好きな人は奏だよ
奏が、俺じゃない好きなやつを想って作った唄を、奏に向けて唄うのは辛すぎる
でも唄うことで奏と今よりも仲良くなれることを願って
あわよくば俺を好きになってほしいと思って
そんな不純な理由で俺は奏の曲を唄うことにした