唄に想いを込めて
「……っは?」
「……っ?!い、いやっ!ちがくて!
その…嫌じゃなかったらっていうか……」
奏は俯いてしまった
「お前は他に好きなやつがいるだろ?」
カバッ
奏は勢い良く顔をあげ、何かを覚悟したかのような目で俺を見つめながら言葉を紡ぐ
「…本当はね……私の好きな人は翔なんだよ
1年の文化祭で翔の唄を聴いてから心から音が溢れてくるの……
どうしても…翔を想って作った私の唄を唄ってほしいって思ったの……
2年生になって…席が隣になってから翔のことを……その…好きになっちゃって……
でも、その時に翔には好きな人がいるって聞いて……下心があったら唄ってもらえないと思って……ずっと…ずっと想いを隠してたの…
嘘つくみたいなことして…ごめんね……」