唄に想いを込めて
私の唄を彼に渡してから、彼と音楽のことでよく話すようになった
今日も放課後、誰もいない屋上で二人だけで話していた
「奏は何の楽器をしてんの?」
「ピアノだよ」
「じゃあどうやってコードつけてんの?」
「ピアノで和音を勉強してたからそれでどうにか」
「…奏は俺に何か聞きたいことないの?
俺ばっか質問してんじゃん」
「三島くんに…?
じゃあね……噂で聞いたんだけどね?三島くん好き人いるでしょ?」
「……うん」
「その人のこといつから好きなの?」
「高1年の入学式」
「どこが好きなの?」
「……ナイショ//」
そう言って少し赤くなった彼をみて、彼がどれだけその人を好きなのか思い知ってしまった
バカだな、私……