そんなのいらない。【完】
「ヒロト…」

ドアの向こうにはヒロトが立っていた。

『連絡…ゴメンな…』


「ぅん。…上がって?」


『ぁあ。』




何か嫌な予感がしたんだ。
ドアを開けた時、久しぶりに会ったヒロトの顔は曇っていたから。


ヒロトは私の向かいのソファーに腰を下ろした。

いつもの席。

でも、今日は空気が違う…。


私はヒロトの好きなドリンクを出して座った。



沈黙が続いた。




先に口を開いたのはヒロトだった。





『好きな子が出来た。』





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