そんなのいらない。【完】
―――――
―――――――
―――――――――
大分酔いが回ってきた頃、店には私と公平しか客がいなかった。
-ガラガラ-
そこへ一人男性客が入って来た。
立ち上がるすぐるさん。
『いらっしゃい!お一人で?』
『はい。カウンターいいっすか?』
『どうぞ!飲み物どうします?』
『生で!後串焼き盛り合わせください。』
こんな会話をしている方を向くと何と私が通うジムの爽やか君だった。
"ぁっ、目ェ合った(汗)"
『あれ?天野さん?!』
爽やか君が声を上げた。
「ども。」
『知り合い?』
公平が問う。
「うん。ジムのインストラクターさん。」
『へ〜。』
興味のなさそうな公平は焼酎のグラスを空にした。
『あ〜マヂ酔った!寝る!』
公平はカウンターに突っ伏してしまった。
『出た公平!コイツ本気で寝るから起こすのめんどくせー!』
本当に嫌な顔をするすぐるさん(笑)
「大丈夫、蹴りますから(笑)」
『あっ、じゃぁ一緒に飲みませんか?天野さん。』
"え?私?!"
ビックリして爽やか君を見た。
『どうぞ、横へ!』
爽やかな笑顔が眩しい位な爽やか君。
「えっと…」
私がすぐるさんをチラ見すると笑顔で頷いた。
「じゃぁ、宜しく。」
『ぶはっ、敬語なしね!』
私は爽やか君と飲みだした。