そんなのいらない。【完】
最初は遠慮がちに飲んでいた私でも酔いの所為か会話も弾んだ。


"案外話やすいな爽やか君"

『ぁっ、もうこんな時間か…』


爽やか君が店の時計を見上げた。

11時を回った頃だった。

「私、連休なんでコイツ置いてけないし(笑)」

公平はまだ寝ている。すぐるさんは店の片付けを始めてるみたい。

『天野さん、またジムで会いましょうね。マスター、お会計お願いします。』

そう言うと席を立つ爽やか君。

「気をつけて帰ってくださいね、岩代さん。」


『彼氏さん大丈夫?』

爽やか君は公平を見た。


"え?"


『あはは(笑)公平と理恵ちゃんはカップルじゃないよ!』

すかさずつっこんだすぐるさん。


『え?!そうなの?』


「そうですよー。私と公平は良き友ですって(笑)」


『仲良しなんだね〜。そっか、そっかぁ〜。』

意味ありげに呟き、会計を済ました爽やか君は店を後にした。



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