そんなのいらない。【完】
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真夏。
私が働くビジネスホテルも忙しく、毎日が流れる様に過ぎて行く。
そんな、ある日。
「すぐるさ〜ん!焼酎ボトルおかわり!」
私はすぐるさんの店で渡と飲んでいた。
『理恵ちゃん、今日はまた飲むね〜(笑)』
すぐるさんが新しいボトルを持って来てくれ、グラスに作ってくれた。
『理恵ちゃん、会社で何かあったみたいで俺にも話してくれなくて。』
困ったポーズをする渡。
「渡!飲めっ!」
渡も酔いが回ったのか、机に突っ伏して寝始めた。
『理恵ちゃん酒強いから皆潰れちゃうね(笑)俺が付き合いますよ!(笑)』
「皆ひ弱っすよー。」
『ヒロトは強かったよなぁー。……ぁっ!わりぃ…』
焦った顔をするすぐるさん。
「もう昔の話ですよ。」
笑いながら答える私。
『聞いていいか?』
「?はい。」
『もう、いいのか?』
「何が?」
『ヒロトの事。』
すぐるさんはヒロトの事を知っている。ヒロトと何度もこの店に来たっけ。