そんなのいらない。【完】
『はっ、入りなよ。』
すぐるさんが呆然と立ち尽くす私に声を掛けた。
『ども!お久しぶりで!』
笑顔で答える爽やか君。
『えっと…ふっ、二人?』
『そぉですよ?』
『ざっ、座敷に座る?』
明らかに動揺している、すぐるさん。
私は黙ってヒロトを見つめる。
『天野さん?カウンターでいいよね?』
「ぁっ、うん。」
私と爽やか君はヒロトと反対のカウンター奥に座った。
『乾杯!』
-カチンッ-
ジョッキとジョッキがぶつかった。
『?天野さんもすぐるさんも変だよ?どうした?』
顔を覗きこんでくる爽やか君。
「ぁっ、うん、大丈夫!何でもないから。」
いたたまれない空気…
私はお酒を飲むしかなかった。
途中、爽やか君にもすぐるさんにも止められた気がする…
どんだけ飲んだかな?