そんなのいらない。【完】
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翌朝、公平が部屋を出て行くまで寝た振りをした。



正午近くにジムへ向かって、爽やか君に昨日のお詫びをしてランチに誘った。



『昨日の事は本当に気にしないでください。逆に俺は天野さんの酔っぱらいを見れたんで(笑)』


「恥ずかしいかぎりっす…」


食後のコーヒーを飲んでいると私の携帯が鳴った。


"メール?"



《昨日は悪かったな。また飲み行こう》


"公平か…律儀な奴(笑)"


簡単に返事を返して、爽やか君を見据えた。


『天野さんって、彼氏いるの?』


突拍子もない質問。


「いないよ。」


『昨日カウンターに座ってた彼は?』


「元彼。」


『じゃぁ、気まづかったね…』


「もぅ、大分前の事だから平気。」


坦々と話す私。


本当は、ヒロトを思い出すと心が痛い。


それに蓋をする私。






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