【短】キミを好きだと叫んでみたら
「私は“大好き”なの…紘汰くんより、ずっとずっと前から、大好きだったの!」


……それって?


聞こうとして、李弥の顔を覗き込んだら、しゅーっと音が鳴るほど顔を真っ赤に染めて、李弥が言葉を続けた。


「ありがちで、紘汰くんは覚えてないかもしれないけど…入学式の時に、私具合悪くなっちゃって。でも誰にも言えないでいたら、近くにいた紘汰くんがそれに気付いて、先生に声を掛けてくれたんだよね…。その時から、私ずっと紘汰くんが好きだったの」


信じられない告白を受けて、俺はフリーズする。

え、ちょっと待って。
なにそれ、マジで?


「李弥〜…」


俺は泣きそうになって、李弥の手をぎゅっと握り締めた。

だって…。
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