【短】キミを好きだと叫んでみたら
「はぁぁ」

どんよりした気持ちで帰ろうとすると、それに合わせて「仕方無いなぁ」とついてくる陽奈。


「……陽奈はなんか知ってんの?」

「んー?」


くりんくりんの天然パーマを、上手に整えた陽奈は、お洒落上手の天真爛漫で男子の人気が絶大だ。


「李弥のこと、さ…」

「知ってるも何も…本人からの相談だしねー」

「え?!まじか…」

「ま、内容は自分で考えなよ。じゃないと意味なしじゃん」



それこそ、李弥がかわいそう、と陽奈はまた溜息をついた。



そこで、道が別れ…陽奈とバイバイしてから、俺は一人になる。

想うのは李弥の事ばかり。

何したのかな?

どうしてこうなるのかな?


精一杯頑張れば頑張る程空回りして虚しくなる。


本当はさ…抱き締めたくて堪らないんだ。


李弥は、こんな俺をどう思う?


「なんか、嫌われそ…」


泣きたくなるのをぐっと堪えて、俺は前を向いた…。
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