蝉が死ぬ季節
繰り返す夏
蝉は何故鳴くのか。
ジリジリと暑苦しい鳴き声と、自分が溶けそうな気温。
こんなんで授業に集中できるわけねぇだろ。
制服のネクタイを緩めながらグラウンドで行われている体育の授業を眺める。
胸がでかいことで有名な隣のクラスの桐島蘭子が右腕で額の汗を拭っているのが目に入った。
この暑さでよく笑ってられるな。
と思いつつも目がいくのは胸元。
...それにしても暑い。
グラウンドの奥のアスファルトも吸い込まれそうな陽炎をチラつかせていた。
夏なんて来なければいいのに。
そう思った瞬間に授業終了の予鈴が鳴った。
蝉の声と混じりあって気持ち悪い音に感じた。
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