sister



「お兄ちゃん」

「……んだよ」

「今日、リサ先輩とエッチなことしてたでしょ」


その日の夜、リビング。

俺らの両親は共働きで、どちらも夜遅いためいつも家にいない。


ソファでのんきにテレビを見ていたとき、唐突に莉奈が言い出した。


「……だからなに」


できるだけ、冷静な声で答える。

でも多分、完璧ではなかっただろう。


数時間前まで、あんなに散々セックスもしたはずなのに莉奈が言う『エッチ』という単語が嫌に生々しく聞こえる。

俺の中で、激情が、生まれる。


「友達が見たって言ってたんだもん…。
お兄ちゃんがちゅ、ちゅーしてたって…」

「……あぁ…」


多分舌を入れてのキスを見てたんだろう。

じゃなきゃエロい方向に話は進まない。


「……その人と、付き合ってるの?」

「そんなわけないだろ。
ただセックスするだけの人」

「んなっ……!!
ふ、不潔…っ!」

「悪いかよ」
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