sister
「悪いよ。
お兄ちゃん、遊び人って学校中で有名だよ。
せっかくイケメンなんだから、それもっと活用した方がいいよ!」
「思いきり活用してるだろうがよ。
だいたい、自分の兄イケメンとか言うか、普通」
「……」
まっすぐに莉菜を見ると莉菜は困ったように顔を歪めた。
「別に…、褒めたんだよ…」
「あ、そ」
「ほら、私には血の繋がりとかないからかもだけどさ、客観的にお兄ちゃんの容姿は見れるしさ。
そりゃあ…、中身は家族フィルターかかっちゃってるけど」
「……」
簡単に言ってくれるもんだ。
『血の繋がりがない』なんて。
それがどれだけ俺の理性を壊そうとしてるのか知らないから言えるんだ。
俺ははあっ、と盛大にため息をつくと
「家族フィルター?」
と話題を変えた。