最後の恋愛 番外編 ☆もうひとつのストーリー☆
事件です。

私の顔には、もしかすると

その内容が浮き彫りになるほどの表情が出てしまっていたかもしれない。

「なんで・・。」

そう言いかけて、大麦をちらっと見遣った。

まだ

気づいてない。

気づかれてない。

私は異変を押し殺し、平静を装って言った。

「その件はまた後日。」

電話口の人はすがるみたいに言葉を続けている。

けど

どうして今更・・!?

大麦に・・気づかれるわけには・・

「それでは、また!」

私は相手に許可を得ないまま、強引に電話を切った。

ああああああ

ありえない。

なんだって・・どうして・・

今更・・

しかも会社に????

そりゃ・・

「森さん、大丈夫ですか?』

ハッとして正面を見ると、日下部さんが首を傾げて心配そうに顔を覗き込んでいた。
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