ノンストップラブ
晴れてOLとなり都内にある小さな印刷会社にオフィスデビューとなった。
業務はサイト運営の更新と問い合わせ対応や雑用全てを任された。
先輩は全員ミドル世代の男性社員で新入りの私には同期がいなかった。
社内にいる唯一の女性は社長であった。
バリバリに切れるやり手のビジネスウーマンで
社長室にはこもらず社員6人と一緒の広くないフロアでデスクに向かっていた。
「柏木さん、ちょっと来て。」
「はい。」
私は返事をして社長のデスクの傍らに立った。
「あなた、サイトにコラムを載せてくれるかしら?」
「コラムですか?」
「そう、女性の視点で印刷という堅苦しいカラを破るのよ。」
「はあ。」
首を傾げる私のことは眼中になく社長はこう続けた。
「つまり、プリントという媒体がないと商売にならない概念をどう変えるかよね。わかる?」
「いえ、全く理解できません。」
社長の余りにもアバウトな言葉に私は困惑した。
「あら、あなたも前世代の残党なの?」
「いえ、全くの新人ですので残党ではありません。」
「はっきり言う人って私好きなのよ。で、コラムやらない?」
「テーマを決めていただけませんか?」と聞いた。
「素晴らしい質問ね。ちょっと皆、今の聞いた?」
他の社員は手を止めずに目は全員PC画面に向けたままうなずいた。
社長は今やチェアの背もたれに体を預けて両腕を胸の前に組み宙に目をやった。
「テーマはそう、色、カラー、色彩、どうかしら?」
私も社長が見ている宙に顔を向けて返事をした。
「かしこまりました。早速下書きを始めさせていただきます。」
と言い自分のデスクに戻った。
社長は首をふりふり宙に向かってこう呟いた。
「完璧ね。」
彼女は私の返事に満足そうだった。
業務はサイト運営の更新と問い合わせ対応や雑用全てを任された。
先輩は全員ミドル世代の男性社員で新入りの私には同期がいなかった。
社内にいる唯一の女性は社長であった。
バリバリに切れるやり手のビジネスウーマンで
社長室にはこもらず社員6人と一緒の広くないフロアでデスクに向かっていた。
「柏木さん、ちょっと来て。」
「はい。」
私は返事をして社長のデスクの傍らに立った。
「あなた、サイトにコラムを載せてくれるかしら?」
「コラムですか?」
「そう、女性の視点で印刷という堅苦しいカラを破るのよ。」
「はあ。」
首を傾げる私のことは眼中になく社長はこう続けた。
「つまり、プリントという媒体がないと商売にならない概念をどう変えるかよね。わかる?」
「いえ、全く理解できません。」
社長の余りにもアバウトな言葉に私は困惑した。
「あら、あなたも前世代の残党なの?」
「いえ、全くの新人ですので残党ではありません。」
「はっきり言う人って私好きなのよ。で、コラムやらない?」
「テーマを決めていただけませんか?」と聞いた。
「素晴らしい質問ね。ちょっと皆、今の聞いた?」
他の社員は手を止めずに目は全員PC画面に向けたままうなずいた。
社長は今やチェアの背もたれに体を預けて両腕を胸の前に組み宙に目をやった。
「テーマはそう、色、カラー、色彩、どうかしら?」
私も社長が見ている宙に顔を向けて返事をした。
「かしこまりました。早速下書きを始めさせていただきます。」
と言い自分のデスクに戻った。
社長は首をふりふり宙に向かってこう呟いた。
「完璧ね。」
彼女は私の返事に満足そうだった。