ノンストップラブ
おじの後を追いかけるようにおばが亡くなった。

私は泣かなかった。

なぜなら一人の現実がついにやってきたからだ。

元々年配であったおば夫婦は病気知らずで風邪を引かないどころか

一般的な予防接種も受けないタイプで健康であることが普通であるという

極めて幸運な人達だった。

何かしらの薬やサプリメントを常用する同世代とは違っていた。

おじは脳溢血で、おばは心筋梗塞で命を取られた。

自宅マンションはおじ名義からおばが相続し私名義となっていたが

思い切って売却し今の賃貸に住み替えた。

何も恩返しできないままおば夫婦が残してくれた財産を相続したが

その代わり私に与えられたのは孤独でしかなかった。

駅前の家賃は高いがその額に見合った便利さを優先したため

コンビニの給料全額がその家賃の支払いに消えた。
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