ノンストップラブ
当日初夏の快晴で朝から湿度も気温も高かった。

俺は車で誠を迎えに行き、出掛ける時間まで雑談した。

「おかしくない?」

「全然。」

典型的なリクルート用の黒いパンツスーツに白いブラウス姿の誠は

それだけでいつもと丸っきり違う印象があった。

さらに髪をきっちりアップにしていわゆるポニーテールに結い上げ

おまけに薄っすらとメイクしていたから俺としては微妙な気持ちだ。

元々顔立ちがきれいだからかちょっとのメイクで美しさが倍増されるなら

もっとしっかりとメイクしたらどうなる。

誰にも見せたくないと思うだろう。

今日は出席すると言ったからには行かねばならない。

これは何か以上に何かなきゃいいがとさすがに警戒する。

特に母親と姉には距離を置きたいところだ。
< 23 / 32 >

この作品をシェア

pagetop