ノンストップラブ
俺はチェアの背にもたれ長い脚を組んだ。

「じゃ、理由は?俺だという理由を教えてほしい。」

「だって、あなたしかいないじゃない。」

キッパリというマリを俺は静かに見返した。

「その言葉に二言はないな。真実だろうな。」

「ええ、そうに決まっているもの。」

これだから女は醜いのだ。

俺はこの事件で女の恐ろしさを痛感した。

「正直に言った方がいい。君自身のためだ。」

俺は念を押した。

「何よ、それ。自分じゃないって言うの?」

「悪いが100%俺じゃない。」

平然と言う俺とは違い、マリは頭に血がのぼって既に冷静さを失っていた。

俺たちの周りは興味津々の態だ。

「とにかくあなたしかいないのよ。」

と言うマリは折角の綺麗な顔をゆがませていた。

「何人いるんだ?相手は何人だ?」

俺の静かな声と、俺ではないと強く否定した言葉にマリは一瞬ひるんだ。

「今なら間に合うし、こんな公の場で話す内容じゃないだろ。」

マリは整った眉を寄せていた。

「でもあなたしか考えられないから。」

ぴしゃりと言うその強気は一体どこから来るのだろう。

「違うだろ?よく考えたのか?そんなに俺だと言うなら、俺も恥を忍んで言うが、俺は子供を残せない。どんなに愛する女でも子供を作ってやれないんだ。」
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