ノンストップラブ
マリは驚いて俺を凝視した。

「そんな。」

「だから俺の子じゃない。他の誰かだ。」

「うそ、うそよ。」

マリの唇が震えていた。

「今すぐ家に帰って冷静に考えた方がいい。そして早急に決断した方がいい。」

「そんな。」

マリはまだ納得していないようだった。

「いいか、俺から言えるのは羊水検査もDNA判定もリスクが高い。相手の男がすんなり認知するわけない。全てを考慮してどうするのが一番いいか考えろ。君の子だ。一人で育てるのか、里親に出すのか、キッパリ決めるかだ。」

マリの目は宙をさまよい気持ちの動揺が表れていた。

「きみはまだ若いし、いくらでもやり直せる。可能な限り早く気持ちを決めるんだ。」

「私、どうしたらいいかわからない。」

マリは今やうろたえていた。

「マリ、そんなんでどうするんだ。子供が泣くぞ。しっかりしろ。」

力強い俺の声にマリはハッとした。

「家まで送るから、さ、行こう。」

俺は席を立ちマリの腕を取った。

彼女は素直に俺に従ってカフェを出た。

帰途は黙り込んだままだった。

恐らく心当たりのある相手のことを考えているのだろう。
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