溺れてはいけない恋
彼女に溺れてはいけない。

俺ではダメだ。

想い続けても幸せにできない。

もっと彼女を愛したい自分を誤魔化せないことにも

腹が立った。

どうしたらいいのだろう。

そんな苦しい気持ちのまま

これからずっと過ごしていけるのか。

「一輝。」

三上がいることを忘れるほど

俺は胸が苦しかった。

「多良は俺が呆れるほどおまえに狂った。早く会わせろと何年も言い続けていた。でも俺が会わせなかった。」

「どうして?」

「おまえが苦しむとわかっていたからだ。こんなことになって済まない。一輝、本当に済まない。」

三上はテーブルの向かいで俺に頭を下げた。

「三上、俺はどうしたらいいのだろう。どうしたら多良が幸せになれるのかわからないんだ。」

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