溺れてはいけない恋
「乾杯しよう。」
三上がグラスを掲げた。
俺は何に乾杯するのかわからないが
ひとまず言う通りグラスを少し持ち上げた。
一同グラスを傾け
細やかに泡立つ琥珀色の液体を喉に流した。
「最高に美味いな。」
三上のその一言に俺も頷いた。
喉越しに絶妙な後味が残り
本当に美味かった。
もう二度と味わえない高級すぎる酒だ。
飲めないと言っても乾杯くらいはできる。
俺は今の一口で酔える。
この一杯でやめておくべきだと肝に銘じるまでもない。
「一輝、紹介しよう。こちらは西村多良さんだ。」
「遠藤様、初めまして、ご紹介いただきました西村多良でございます。」
俺を知っているのだろうか。
「遠藤一輝です。初めまして。」
無難に挨拶してから三上を見た。
「これはどういうことだ?」
彼はハンサムな顔でニヤリと笑った。
「多良は一輝にぞっこんだそうだ。」
「は?」
俺は困惑した。
なぜなら知らない相手にそう言われてもピンとこない。
第一、こういうことは事前に知るべき内容だ。
「一輝さんとお呼びしてよろしいでしょうか。」
良いも悪いも俺の返答は関係ないように思えた。
三上は平然としていた。
この部屋にいる他の客たちは当然俺たちに無関心だ。
ここで何を話しても一歩外に出れば無かったことにできそうだ。
「場所を変えよう。」
三上がそう言うと多良は右の眉をツイと持ち上げ席を立った。
俺は立ち上がった彼女を見上げるだけで
二人に従った方がいいか考えあぐねていた。
「一輝、行こう。」
俺は今度は三上の方へ向いて口を開きかけた。
「いいから。」
三上はそう言って手で制し俺に有無を言わさずだ。
三上がグラスを掲げた。
俺は何に乾杯するのかわからないが
ひとまず言う通りグラスを少し持ち上げた。
一同グラスを傾け
細やかに泡立つ琥珀色の液体を喉に流した。
「最高に美味いな。」
三上のその一言に俺も頷いた。
喉越しに絶妙な後味が残り
本当に美味かった。
もう二度と味わえない高級すぎる酒だ。
飲めないと言っても乾杯くらいはできる。
俺は今の一口で酔える。
この一杯でやめておくべきだと肝に銘じるまでもない。
「一輝、紹介しよう。こちらは西村多良さんだ。」
「遠藤様、初めまして、ご紹介いただきました西村多良でございます。」
俺を知っているのだろうか。
「遠藤一輝です。初めまして。」
無難に挨拶してから三上を見た。
「これはどういうことだ?」
彼はハンサムな顔でニヤリと笑った。
「多良は一輝にぞっこんだそうだ。」
「は?」
俺は困惑した。
なぜなら知らない相手にそう言われてもピンとこない。
第一、こういうことは事前に知るべき内容だ。
「一輝さんとお呼びしてよろしいでしょうか。」
良いも悪いも俺の返答は関係ないように思えた。
三上は平然としていた。
この部屋にいる他の客たちは当然俺たちに無関心だ。
ここで何を話しても一歩外に出れば無かったことにできそうだ。
「場所を変えよう。」
三上がそう言うと多良は右の眉をツイと持ち上げ席を立った。
俺は立ち上がった彼女を見上げるだけで
二人に従った方がいいか考えあぐねていた。
「一輝、行こう。」
俺は今度は三上の方へ向いて口を開きかけた。
「いいから。」
三上はそう言って手で制し俺に有無を言わさずだ。