復讐
会場に着くと既に多くの参列者が集まっているようだった。
駐車場に車を停めて中まで歩を進める。
だが足取りは重い。
サヤの死を嫌でも実感してしまう。
ふと視線の先にナガツカとタマダを見つけた。
そういえばナガツカは事件後初めて会う。
お互い何と言えばいいのだろうか。
「ん?」
まだ距離的に少し遠いが、
ナガツカ、タマダと喋っている人物が2人いることに気づいた。
40代ぐらいと、もう少し若そうな30代後半ぐらいの男のようだ。
サヤか旦那さんの親族だろうか。
もう少しで声をかけられる距離まで近づきつつあったが、ちょうど話終えたのか2人の男はナガツカ達から離れていった。
「ういっす。」
「おお。」
「あ、ショウ君。」
どれだけ泣いたのだろう。
ナガツカの目はとても見ていられないほど腫れていた。
「ナガツカご飯食べてるか?」
「う、うん。まぁ。」
「いやお前と一緒だよ。この後無理にでも飯屋連れて行こうと思ってる。」
ナガツカの答えに対してタマダが食い気味に答える。
「さっきタマダと一緒にサヤに会ってきたよ。すごく穏やかな顔してた。」
ナガツカはまた目を潤ませている。
今にも泣き崩れてしまいそうなその肩にタマダがそっと手を添えた。
「お前も会ってきなよ。」
「ああ、そうする。」