復讐
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「ふぅ。」
家に帰ると間もなく20時になろうとしていた。
鞄からデジカメだけ取り出し、部屋の隅に適当に置いた。
今日も色々収穫ありだ。
早速ノートパソコンの電源を入れ、作成した警察署周辺のマップを出す。
ここ数日は仕事終わりに警察署から拘置所へのルートの下見に行き、
コンビニや牛丼屋で夜ご飯を済まして帰宅するというルーティンになっていた。
警察署から拘置所へのルートは大きく分けて4つ。
しかしどのルートで移動しようとも必ず通る道がある。
デジカメとパソコンを繋ぎ写真を取り込む。
自作の周辺地図もほぼ完成を迎えようとしていた。
あとはどこで襲撃するか。
そして張り込みをどこでするかだ。
本来であれば、警察署前に張り込む偵察班と、
襲撃ポイントで待機する実行班に分かれて行動するべきなのだが、
俺1人で全てをこなさなければいけない。
タバコに火をつけると両手を組み、親指のみを額につけ、目を閉じ策を練る。
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「いや~危ない危ない。
先生に見つからなくてよかったな。」
「ナガツカとサヤの部屋に行こうなんてお前らしかったよ。」
「修学旅行の夜に女子の部屋に遊びに行くのは常識だべ。」
「まぁ楽しかったけどさ。」
「なんだよ、まだ引きずってるのか、
サヤにフラれたこと。」
「サヤ見てて思ったよ。
あいつは今の関係がいいんだな。」
「良かったじゃん、
また前みたいに戻れて。
ここしばらくずっと気まずかったんだろ?
部屋まで行った苦労があるってもんよ。」
「はいはい、感謝してますよ!
4こイチなんてクソ食らえ!」
「ハハハ。
まぁこいつでも飲みましょうや。」
「おま・・!酎ハイじゃねぇか。
どっから持ってきた?」
「へっへ~。サイトウ達が隠し持ってきてたから、ちょいと俺も分けて貰った。」
「見つかったら退学だな。」
「せっかくの修学旅行なんだべ。
消灯時間なんて知った事かよ。」
“プシュッ”
「なんだ。友情に乾杯ってか。」
「ウハハハハ。乾杯!」
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