復讐
第7章 好機
第7章 好機
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“ピー ガガ 繰り返す ガガガ サカグチ マサムネが留置場を脱走 カ ゙ガガ
逃走方向 不明 ガガガ全車両 至急捜索にあたれ ガガガ”
神は俺の味方をしているのか。
まさに青天の霹靂だった。
購入してから一度も反応が無く、
完全に騙されたと思っていた。
“警察無線傍受用無線機”
急にノイズと共に音声が入り判明したサカグチ留置場脱走。
すぐにテレビをつけて全チャンネルを確認したがまだニュースにはなっていない。
現時点でサカグチ脱走の事実を知っているのは警察と俺だけだ。
訪れた絶好の好機に素早く体が反応する。
今日の夜は一段と寒い。
極力動きやすい且つ暖かい格好に着替え、
ニット帽をかぶり、ネックウォーマーを鼻上まで上げた。
目元しか確認できないこの格好であれば、仮に誰かに姿を見られても俺とは分からない。
一見怪しさもあるが、真冬の寒さがこの格好を肯定してくれる。
計画実行時の為に用意していたポケットナイフ、催涙スプレー、スタンガンをポケットに押し込み家を出た。