復讐
警察も必死になってサカグチを捜索している。
絶対に先に見つけてやる。
車に乗ろうと思ったが小回りがきく自転車で探すこととした。
アテはないがひとまず警察署方面に向かおう。
憎き相手が今、この街のどこかで野放しになっている。
今奴を見つければ、誰にも邪魔されずに復讐を果たすことができる。
この足ぶっ壊れるまで・・・
お前を殺すまで・・・・・・
勢いよくペダルをこぎ出した。
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「モリヤマ!」
オオシマ夫妻の家を出たカザマとニシベは、
近くで同じくサカグチ捜索を続けていたモリヤマ刑事と合流していた。
「一体何があったんだ!?」
カザマとニシベは車を降り、モリヤマが乗る車に近づいた。
「サカグチがまた留置場で叫びながら暴れ出したんですが、
ヤマダが応援を呼ばずに1人で独房の中に入って鎮めようとしたそうです。
それで逆にサカグチに・・・。」
「あのバカが!!」
ニシベが握り拳を作り体を震わせた。
「それでヤマダは?」
カザマは怒りを押し殺すような表情で続けてモリヤマに尋ねる。
「意識不明の重体で今救急搬送中です・・・。」
カザマの眉間に更にシワが1本増えた。
「モリヤマ、お前は駅方面へ行ってくれ。
署から駅まではまだ距離があるから、奴が電車を使って逃げようとすれば先回りできる。
私とニシベは引き続き他の署員と連携してここら一帯をくまなく探す。」
「分かりました。」
「サカグチは何をしでかすか分からない。市民に危害が及ぶ前に確保するぞ。」
「はい!」
モリヤマは車を発進させた。
「ニシベ急ごう!」
「サカグチの野郎、絶対に捕まえてやる・・」
2人も車に戻った。