復讐
「・・・・クル・・コロセ・・・イナイ・・クレル・・」
サカグチは俯きながらまたぶつぶつと呟き始めた。
チャンスだ・・後ろから頸動脈にナイフを突き刺せば・・・
人間の急所の位置は学習済だ。
俺は今日この日、サヤの復讐を果たすことができる。
ようやくこの苦しみと悲しみから解放されるんだ・・・。
徐々に心拍数が上がり、手が震え始めた。
「・・・ラエ・・・クレ・・・・クラエ・・」
落ち着け俺。
こいつがぶつぶつ呟いているうちに。
凶暴になる前に・・今のうちに・・・。
震える右手を上着の内ポケットに伸ばした。
ポケットナイフ、ポケットナイフ・・・
・・掴んだ。よしっ・・
「サカグ・・」