復讐




お辞儀をすると多くの拍手が聞こえた。


一応それなりに考えたスピーチの原稿を読み終えてひとまずは俺の仕事は終わる。



司会者に促されて新郎新婦と写真を撮ることになり、タマダとナガツカの元へと近寄った。



2人とも目を潤ませている。

それほど大したことは言っていない気がするが・・。



「ショウありがとうな。」

「ありがとーショウ君。」


「ああ。おめでとう。」



カメラマンが何枚かシャッターを押し、席へ戻ろうとするとタマダが話しかけてきた。



「ショウお前今日あんまり酒飲んでないのか?」


「あ、ああ。」


「珍しいな。なんかいつもと少し違うぞ。」


「当たり前だろ。どれだけスピーチに緊張してたか教えてやろうか。

酔って変なこと言わないよう気をつけてたしな。」


「そういうことか。
いやホントありがとう。」


「これで思いっきりお酒も飲めるよ。」




「そういえば昨日サヤのお墓参り行ったみたいだな。

誘ってくれれば俺も一緒に行ったのに。」


「・・・・何の話だ?」


「ちゃんとナガツカから聞いてるって。」


「覚えてないな。」


「またとぼけやがって。
今度は3人で一緒に行こうな。」



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