復讐
「なんだ、お前あれやってないのか。
ほら、この前結婚式場で起きた事件。」
「披露宴に参加していた男が新郎新婦の目の前で割腹自殺したってやつか?
あれは管轄がうちの署じゃないし、そもそも事件じゃないだろ。」
「自殺するんだったら場所と方法を選べってよな。
わざわざ友人の晴れ舞台で、武士でもないのに腹切るとは。
そうか、管轄が違うのか・・・。」
「麻取のお前がなんでその自殺案件を気にしているんだ?」
「それがな。そいつの家に一応ガサが入ったらしいんだけど、
そこで厄介な物が見つかったんだよ。」
ヤマモトはそう言うとポケットからスマホを取り出した。
「最近娘が変えろってうるさくてな。
ちょっと待ってくれよ。」
まだスマホに慣れていないのか、ヤマモトは慎重に画面をタッチし、ある写真をカザマに見せた。