復讐
第2章 模索
第2章 模索
夜も更ける頃。
ムコウジマ警察署ではカザマとニシベが会議室で資料を広げながら、腕組みをしていた。
「空振りか。」
「そうですね。オオシマとサカグチ、どこにも接点がありません。」
「何故だ。何故サカグチはオオシマの家を狙ったんだ。」
カザマは持っていたコーヒーカップをゴミ箱に捨てると唇を噛む。
「オオシマ タモツ。サカグチのような男とは正反対の人間ですね。」
ニシベは一度目を通した資料を改めて手に取る。
「高校では生徒会長。
大学時代は被災地へのボランティア活動、
ひったくり犯逮捕の捜査協力で感謝状。就職後の・・」
「ニシベもういい。
穴開くぐらい読んだからな。」
「すみません。」
ニシベは資料を置くとコーヒーを一口飲む。
「理不尽な世の中ですよね。
こんな真面目で格好も良い男があんなクソ野郎によって人生奪われて。
年下のこれまた可愛い奥さん貰って新居建てて、人生これからって時に。」
「そうだな・・・。」
ニシベが発した“奥さん”というフレーズを聞き、カザマはホワイトボードに貼ってある事件関係者の顔写真を見つめた。
「サヤの方なのか・・」
「え?」
「オオシマの妻 サヤとサカグチはどうだろうか。」
「この子がサカグチとですか・・・・。
可能性は全て潰せ、
カザマさんの口癖ですもんね。
モリヤマさん達も呼びましょうか?」
「いや、モリヤマ達は引き続き旦那のほうを洗ってもらおう。
まだ何が出てくるか分からないからな。
俺たちで奥さんについて調べよう。」
2人は会議室を出る。