拾い物はイケメンでした。
どうする叶優!!

ザーザーザー……

一日降り続いている雨はやむことなく今もまだ降り続いている。
というか、酷くなってきた気がする。


ゴロゴロゴロ…
遠くではあるが雷も鳴っている。


「あの人大丈夫かな…」

気づけばさっき会ったあの怪しい奴のことを考えていた。

雨に濡れて風邪ひいてないかな。
雷にうたれないかな。

一人で寂しくないかな。

あれこれ考えているうちに私の体は勝手に動いていた。
自分用の傘と怪しい奴用の傘とタオルを持ってさっき会った場所に向かって走っていた。


「……あの!もしよかったらこれ使ってください!」

わたしは傘とタオルを差し出した。



「あ、ありがとう。……それで、俺を拾ってくれるんですか?」


「は?!あ、えーっと…」




体が勝手に動いたせいで拾ってくださいとかいう言葉のことを忘れてた!!!!!
これはやばいぞ!叶優どうする!!どうする叶優!!





「…………?」





「一日だけなら…」

今夜だけ。今夜だけ泊めてあげて明日はかえってもらおう。



「ほんと!?ありがと!!たすかったわー」




うわ。こいつ。急に元気になりやがった。
なんか腹立つわー



でも、ほんとに大丈夫かな。こんな奴拾ってきて…。
< 3 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop