拾い物はイケメンでした。
「…んで、何で私のベッドにいたわけ?」

「いやー、俺なんか1人で寝るの嫌いなんだよね~んでもって、俺抱き枕ないと寝れねぇから。」

なんだこいつ…。

何歳か知らないけど、いい年して抱き枕ないと寝れないって。。

「…それで私のベッドに入った、と…」

「嫌だった?」


「嫌に決まってるでしょ!?名前も何も知らない男と同じベッドで寝て、抱き枕にされるとか!!!!!」

「あー…ごめん。自己紹介してなかったね」

きづいてなかったんか!


「俺の名前は【雨宮優斗】。高2で君と同い年。ついでに言うと同じ学校。」

へーそうなんだ。

「って、え!?同じ学校!?え、は!?」

「あれ?俺のこと知らない?結構有名人なんだけど」

私、他人に興味ないからなー。誰だっけ…?

「ごめん。知らない。」

「そっかー。まぁいっか。  でも俺は君の事知ってるよ?羽織屋叶優ちゃん。」


え、なんで知ってるの…?

雨宮優斗…。同じ学校…。同じ学年…。

誰だっけなー…。

「帰宅部で、毎日早々と帰ってて、ともえちゃんって子と仲が良くて、1人暮らしで、週2でファミセスのバイト。どう?あってる?」

「あってるけど…いや、あいすぎて逆に怖いって言うか…。何ストーカー?」

何でそんなに知ってるの?私こいつの事全然知らないんだけど。

「俺、有名人だから。有名人は何でも知ってるの。」

「は!?意味わかんない!」

そんなの理由になってないよ

「うん。わかんなくていいよ。そのかわり、しばらくここに泊めてくんない?」

「はぁ!?」

さっきからなんなのこいつ!意味わかんないことと言ってさ。

まだ朝だよ!?朝だからって冗談は辞めてくれ

「いやー今家に帰りたくないって言うか帰れないって言うか…だから頼む!!」

言うなり彼は土下座をした。

うわー。ガチなんだー。嫌だなー。

たしかに、イケメンだし、私のどタイプだけどさー。

ちょっとねー。

「だめ?ちゃんと生活費は入れるし、家賃は半分払うから!!」

家賃半分出してくれるのはありがたいなー。

「うーん……。まぁ、家に帰れないんだったら…」

また、『落し物です。拾ってください。』

とか言われるよりはいいか。。

家賃半分出してくれるなら…。

「いいよ。」

「まじで!?ありがとう!!!じゃあ、洋服とか取ってきていい?駅のコインロッカーに入れてるんだー」

はじめから、しばらく泊まるつもりだったのね

「うん。取ってきたら?その間に洗濯とかしてるから。」

「ありがと!!じゃあとってるく!」


バタン……


あー。思ってもなかったことになっちゃったよー。

大丈夫かー。

男だぜー。怖いなー。嫌だなー。
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