青い空の下、僕たちは今も
去年
「仕方ないよ」
俺は紗綾が好きだった
「あの時の俺、こんな風に見えてた?」
「うん」
「はっ…かっこ悪。」
乾ききってないキャンパスに手を伸ばす
「触んないで」
「ごめん」
謝りながら、触れる
柔らかい肌の感触
「…帰ろ」
とった手を振り払わない桜花は
やっぱり何を考えてるかわからない
「好き」
「…は?」
無言だった帰り道
急に口を開いた桜花
「…って、言われたら嬉しい?」
「はぁ?」
いや、ますますわからんし
「わかんないならいい」
「いや、そんな呆れたみたいな顔されても困るんだけど」
そんなことを言いながら家へと入っていく
「嬉しいよ」
背中へまたスルッと言葉が抜ける
言う、つもりじゃなかった
「…そっか」
呟きのようにも思えたその言葉
そんなに悲しい声を漏らすなら
聞いてこなければ良いのに
いつも通り
振り返ることもなく家に入る桜花は
やっぱり冷たい