青い空の下、僕たちは今も
「棗くん」
「…珍しいな、紗綾」
「うん、ちょっと」
昼休み
珍しく俺のところへ来た紗綾
「お昼、一緒に食べてもいい?」
「いいけど…あいつは?」
そう聞くと紗綾の表情が曇る
「…いいよ」
入学当初、何かと視界に入って気になっていた紗綾
その紗綾と部活が一緒で、よく隣に居た桜花
紗綾には早々に彼氏ができた
桜花とはクラスが一緒で仲良くなった
桜花と一緒に居るようになって
紗綾ともその流れで仲良くなった
仲良くなって、それでも桜花とは少し違う感情に
ぼんやりと、やっぱり好きなんだな、と思った
まぁ、もう遅いのだけれど
…本当に?
中庭
ベンチで二人で弁当をつつく
遠くに見えたのは
「…桜花」
と、紗綾の
「千春…」
また…
また、笑ってる
「相談、なんだけどね…」
俺、今
何してんだろう
「千春、もう私のこと…好きじゃないんだ」
それを、どうして俺に
「…棗くんは桜花とのこと、どうする?」
…本当に、先だったのは?
それこそもう、今気づいたって遅いのだけれど