青い空の下、僕たちは今も
放課後
いつもは雨だと憂鬱だけど
今日はラッキーだとか思ったりして
「ミーティングとか、だりぃ」
ぶつぶつ言うみんなに混じり、海斗はブルー
「絶対あいつ、待ってないよなぁ…」
そんな呟きに彼女のいない部員たちから
一斉攻撃を受ける
決まってこういう時に流れ弾を食らうのは彼女持ちの誰かで
「棗も、いつも待ってんだろ?」
適当にかわした海斗もいつも通り誰かに振る
「まぁ、晴れてる日だけな」
「え、雨の日は?」
「…そんなに待てねぇよ」
その言葉に噛みついてくる部員たちをかわしつつ
急いでミーティングのある教室に入る
追って入ってくるみんなは
コーチを見るなり静かになった
「お前って、案外冷たいのな」
「…お前らが、一年半も付き合っといて熱すぎるだけだろ」
そういうもんか?と首をかしげる海斗
冷たいのは俺じゃないけど、と心の中で呟く
初めての雨の日
教室で適当に時間を潰していつも通り美術室へ向かった
そしたら、何でいんの?って
待ってた、なんて言ったらダメになる気がして
とっさに委員会って嘘をついた
それから、一度も雨の日は一緒に帰っていない
雨の日は嫌いだ
あの日を思い出して、惨めになる
桜花に、踏み込んでくるなって言われてる気がした
俺も桜花もお互いが好き
だけど、別に好きじゃない
一緒にいると楽
だけど別に、一緒にいたいわけじゃない
ただ
これを崩せばすべてが終わる、と
これさえ崩さなければ終わらない、は
イコールじゃ、ない
そんなこと、知っていた