青い空の下、僕たちは今も
時計を見れば、6時
「わりとかかったなー」
笑いながらそういう海斗は、やっぱり無理してる
「早く行けよ」
そう言うとすぐさま駆けていく海斗
俺にもそんな素直さがあれば、なんて
気持ち悪いだけか
「わかった
ありがとな、千春っ!」
一旦入った教室から飛び出て
叫びながらまた駆けていく
そんな光景に、みんなが笑う中、俺だけがなぜか笑えなくて
嫌な想像が、頭に浮かぶ
「俺、ここだから」
みんなと別れて海斗が飛び出てきた教室に向かう
嫌な予感は、的中するもので
「…桜花」
何でいるわけ
部活は?
この時間に終わるわけない
「完成したから休んだ」
相変わらず、主語がない
まぁ、そんな気がしてた
「帰ろ」
なぁ、それ、どっちに言った?
「何?もう帰っちゃうんだ」
「紗綾もそろそろじゃない」
その言葉にうなずいて、教室を出ていく千春
「早く、話つけてよ」
桜花にした耳打ちは
明らかに俺にも聞こえるように言った
焦ったように目を泳がせる桜花
それを見て笑う千春
完璧に、俺を煽ってる
ばれないように握った拳は
ただただ虚しいだけで
「帰ろう、春斗」
「何でいんの?」
ずるい、質問をする
「…千春に、付き合ってた」
ほら、そんな言葉が返ってきても
桜花だって俺と同じ風に思ったんだって
最低な理由で気持ちに折り合いをつけるんだ