青い空の下、僕たちは今も
雨
並ぶ傘
無言のさっきと同じ道
それでも、さっきとは違う空気
校門の少し手前
傘もささず、ぼーっとしながら歩いてきたのは
「…千春?」
その名前に、思いっきり萎縮する
「…何、お前ら」
びっくりするほど、低い声
…こいつ、こんなだっけ
もっと、こいつは飄々としてて、いっつも余裕みたいな…
「頑張る」
「…は」
「あんたみたいになるのは、無理」
「…桜花?」
相変わらず意味のわからない桜花の言葉
その言葉に、不適に笑うこいつに腹が立つ
「桜花は、それでいいんだ」
「…信じたいから、ごめん」
「あっそ」
そういいながら、横を通りすぎて
またゆっくりと歩き出すそいつ
頬に伝ったいくつもの雫が泣いているように見えた