青い空の下、僕たちは今も



「ふざけないでっ!!

あんたにこいつの一番大事なものを
取り上げる権利があるの!?」

「あるだろ。
俺がこいつを、走れなくしたんだ」

「違うでしょ!?
この子が勝手に落ちたのよ!」

「違う

俺が、助けられなかったんだ」

「でも、でもっ!!」


お姉ちゃんにそんなことを言われるのは
初めてだった

優しい、優しいお姉ちゃん


少し感情のずれがあったとしても


お互いに、尊敬だとか憧れだとか

私にはわからない色々なものがあって


一生ものの、ライバルのような存在なはずで


「あんたは、もっと
上を目指せるのに…」

「別に、走るのを辞めるわけじゃない。

そもそも、選ぶ高校で駄目になるなら
俺がその程度だったってだけだろ」


お姉ちゃんは、泣いていた


脱水で倒れてしまうんじゃないかと思うほど泣いて

そして先パイと一緒に
私に陸上についてたくさんのことを叩き込んだ


それは、私に対して罰を与えているような気もしたし

私に言ったことに対しての罪滅ぼしのようにも思えた


先輩は地元の高校を受験した


私は、走れなくなっただけ

日常生活に何の支障もないのに


それでも先輩は誰が何と言おうと
譲らなかった




私は何も言わなかった


言えなかったんじゃない


言わなかった




あなたにとってより良い未来を
切り開くことが

その進路では難しいと知っていて





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