青い空の下、僕たちは今も





電車の中


走り疲れたのか
あたしにもたれ掛かってぐっすりと眠るあなた


今日、彼へ向けられていた視線は
いったいどれだけだっただろうか

途中から、数えることも諦めた


決して走ることだけがあなたの魅力じゃないことを
私は知っている



私より綺麗な人が
いったいどれだけいたのだろうか


その人たちがあなたを放っておくわけがないと
私は知っている


「大学、楽しかった?」


寝ているあなたに問いかければ
頷かないに決まっている


そんなことで、何が安心出来るのだろう


「先輩、降りますよ」


思いっきり揺すって耳元で話せば
帰ってくるのは寝ぼけた返事


「帰り、あそこ寄りたいです」

「…おー」


寝ぼけ眼の先輩が頷く


それで伝わることの嬉しさが
あなたに分かるだろうか



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