お前だけが欲しくて
side陽斗


俺は、大学を卒業してから父親の後を継いで、社長となった


それから三年が経った頃の、入社試験の面接の日、俺はあの女を見つけた

俺の想いを踏みにじった女

俺から逃げた女

俺があれからずっと憎んでいた女

そして、俺が初めて惚れた女


俺はあの女に逃げられてから、当て付けのように更に女遊びが激しくなった

それでも、そいつみたいな女は現れなかった


そいつを面接会場で見つけたとき、俺は歓喜に震えた


でも、そいつの隣には俺じゃない男がいた


俺はその現実を受け入れたくなくて、足早に会場を去った





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