お前だけが欲しくて
別れ話
side凛


宮園に抱かれた次の日の朝、泣きすぎて目が腫れていた

………最悪


どうにか化粧で誤魔化して会社に行く

意外と上手く誤魔化せているようで、誰にもばれていないようだ


絢斗も会社にやって来た

目が合ったと思ったら、真剣な顔で私に近づいてくる


「凛、泣いた?大丈夫?」


……やっぱり絢斗にはバレたか

気づいてくれる絢斗の優しさに、また涙が溢れそうになる

それと同時に、罪悪感で押し潰されそうだった


「……大丈夫だよ」


誤魔化すかのように笑う


「大丈夫なわけ無いだろ、そんなに泣きそうな顔してんのに

今日、仕事終わったら凛の家に行く

……じゃあ、また後で」


そう言って去っていった絢斗を見て、私は絢斗と別れようと決心した




< 53 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop