お前だけが欲しくて


絢斗が私を強く抱き締める


「なら、俺は凛を離さない

今、凛が俺の事を好きなら問題ない」


「私、酷いやつなんだよ?」


「俺もできた人間じゃないから、凛が他のやつに何をしようと、俺の事が好きならそれでいい

それに、昔のことだろ?」


そう言って、絢斗は優しく笑う


「私、昨日社長に抱かれたんだよ?」


「それには腹が立つけど、記憶がない時に抱かれたんだから、完全に凛が悪い訳じゃないだろ?」


「私、絢斗と別れなくていいの?」


「凛が俺の事を嫌いじゃないなら、別れる理由がないだろ

まぁ、たとえ嫌いでも、離してなんかあげないけど」


その優しすぎる言葉に、我慢していた涙が零れた


「でも、俺じゃない男に抱かれたままとか嫌だから」


ニヤリと意地悪に笑う絢斗は、私の耳元で蠱惑的で妖艶に囁く




「消毒してあげる」







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