お前だけが欲しくて


「…………は?」


凛の言葉が理解できなくて、したくなくて、冗談だって言って欲しくて、凛を問いただした


「……何で、急にそういうこと言うの?

俺、何かした?」


自分でも驚くほど冷たい声だった

普段、凛にだけ勝手に優しい声になる俺

こんな声で凛に話す時が来るなんて考えたこともなかった

凛が泣きそうになっているけど、俺はその事すら気にかける余裕は無くなっていた



ポツリポツリと別れると言った理由を凛は話始めた





でも、凛が別れたい理由を聞いて、凛は俺の事は嫌いじゃないようだった


確かに、凛が社長に抱かれたことは悔しいし、悲しいし、すごく妬いた


昔、凛が社長にどんな酷いことをしようとも、凛が俺だけを愛してくれれば、あとはどうでもいい

……まぁ、優しくしたら嫌だけど、酷い分には寧ろ少し嬉しい


でも、たとえ記憶がなくても凛が他の男に抱かれたままとか絶対に嫌で、俺は今日、凛を抱いた



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